silly talk
先方は困惑していた。




それは堅の周りにいた同僚も同じだった。




日ごろから、堅は穏やかに過ごし、怒ったり声を荒げたりしたことがなかった。




それが今日に関しては、人が変わったように積極的に先方の非を責めている。




堅自身、いつもの自分とは違うと気付いていたが、先方の契約違反に対する感情は抑えきれなかった。



怒りや失望、悲しみを織り交ぜながら、堅は受話器を掴んでいた。
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