先生がいた。
「美紀。」
「は、はい。」
「何かお前二人になると敬語になるよな。」
「あぁ、まぁ・・・はい。」

どきどきしてうまく喋れない。

「俺と二人で嬉しいだろ?」
「・・・っ。そんな事ないです!!さっき美由と一緒に降りたかったです!!」
「強がり。」

ははは。と先生が笑う。

「つ・・・強がりじゃないもん。」

恥ずかしくて俯いてしまう。

「で、お前の家どこ?」
「あっ、ここもうちょっと真っ直ぐ走ってください。」
「はぁい。」

ハンドルにかけた先生の手を見つめる。

「で、そこを左に曲がって次の角を右です。」
「ん。」

うぅ・・・もうお別れだ。
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