あの空の向こうに
【星を眺める少年ー10】

村の入り口には若々しい青年が立っており、すでに村の数人がその周りを囲んでいた。



その首には、昨晩ティナが手に持っていた同じ石の首飾りが付いている。



村人と話を終えた青年はティナに気付き、こちらへ近付いてくる。



ティナも早足で青年のもとへ駆け寄った。



「レオン!」



この青年こそが、ティナが帰りを待ちこがれていた、レオンである。



2人はその場で抱き合った。



「ただいま、ティナ」



お互い心の底から喜び、歓喜の声をあげたかった………が、そうはしなかった。



村の掟には反することはできない。常に静かにしなければならなかった。




そのために、お互い静かに抱き締め合っている。




しかし、それで十分であった。





言葉なんてなくても、それだけでお互いの気持ちは分かるのだから
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