あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー5】


祐平は思う。

ティナに会いたい。
約束を守るために、どうしても会いたい。







その木箱をサラの目の前に上げ、祐平は言い放った。







「ティナが死んでしまったら、このティナの髪の毛を使ってティナの転生を探し出す!
そして、もう一度会うんだ!」








少し声がデカかったが、サラは怒らずにいた。





確かに、その髪の毛をティナの転生の人に触らせれば、
ティナの転生の記憶は全て甦る。








それを、この広い星で探し出すというのだ…








「……お前…
そこまでその女に会いたいのカ…?」







祐平は力強く頷いて見せた。







どうやら、揺るぎのない決心をしたようで、
その真っ直ぐな目にも、サラは祐平の決意を感じ取っていた。







「もう誰かに守られてるかもしれないんだゾ…?
年齢もユウとは違うかもしれないし…」







それは分かっていた。






あの日、あの遺跡で死んだとなれば、
転生をして今頃祐平と同じ年齢かもしれない。






だが生まれて何年かして死んでしまったら、また赤ちゃんから転生のし直しなので年齢に違いが出るのは分かっていた。








実際、この星では何人もの人が
シュナウザーに殺されているのだから……
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