あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー16】


そう言われるだけでも、少し心強かったりする。







どうやらサラにも、祐平の気持ちが分かっているようだ。







「ありがとなサラ。
…俺はきっと、ティナを見つけだしてみせるよ」







「そうカ……
…なあユウ。
お前、家族に会いたくないのか?
今までと全く違う環境のこの星で、チキュウの仲間に会いたくないのか?」








確かに、少し寂しいかもしれない。







こんな遠くまで来て、ホームシックにならない方がおかしいことだ。








「まあ…そりゃあ、
母さんや父さんに会えないのを寂しくないと言えば嘘になるけど…」








「やはりナ…
さぞ、家族も寂しがってるとサラは思う……」







そう言い、サラはジッと祐平を見つめている。








そんなことまで考えてくれるなんて、根はいい子なんだなあ
…と祐平が思ってる時、すでにサラの表情にはある「異変」が起きていた。







よく見てみると、サラの顔色がみるみると真っ青になってゆく。








「サ………」








そう言いかけた時、祐平も直感でその言葉を飲み込んだ。







サラの視線が、祐平の後ろを直視している。







祐平は恐る恐る後ろを振り返ってみた……

すると…







…そこにはシュナウザーが立っていたのだった…
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