あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー23】


祐平は、恐る恐る倒れてるシュナウザーを覗いてみる。







(普通、ホラー映画とかならここで急にガバッと来るんだよな~)







と、
嫌なことを考えながら、祐平は安全な距離を保っていた。







だが、シュナウザーは確実にその生命を失っていたのだった。







「!?
見ろ!ユウ!!」








サラは、死んでいるシュナウザーを指した。








二匹はもの凄い速さで風化し、その全身は一瞬で粉々になってしまったのだ。








「あ……こ、粉になっちまったぞ!?」







そして、その粉は全て散ってしまい、
まるで何事もなかったかのように、そこには何も残らなかった。








何から何まで一瞬の出来事で、先程までの緊張感が嘘のようであるがごとく、
村には平穏が戻っていた。






「な、なんで粉になっちまったんだ?
シュナウザーは死ぬと粉になるのか?」








「わ、分からん…
だけど、どうやら本当にシュナウザーは死ぬと粉になってしまうらしいナ。
それなら、今まで死骸が見つからなかったワケも納得できる」








今まで誰もシュナウザーの死骸を見つけられないは、死んで粉になるからであり、
そのせいもあって生態系が謎とされていたのだ。








祐平の言ったことは正しく、シュナウザーはその生態上死ぬと風化するスピードが異常に早く、すぐに粉となってしまうのであった
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