あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー26】


理由はどうであれ、間違いなく蚊取り線香でシュナウザーを同士討ちさせたのは事実。






もはや全滅させるには、これを使う手はない。







「なあ……サラ……
俺にシュナウザーの巣を教えてくれ」






その雰囲気を感じ取ったサラは、祐平が何をしようとしているのか分かった。






「ユウ……
それは危険過ぎる。やめとけ」








だけど、祐平の意志は変わらないでいた。






もしかして、巣に蚊取り線香をセットして同士討ちさせればシュナウザーは滅び、この星を救えるかもしれないのだから。







「俺は、ティナの為にもこの星をヤツらから救いたいんだ……
頼む!」







その一言に、他の村人達は大喜びだった。







「おお、ユウ様やってくださるかね。
さすが英雄レオンの転生じゃ」







「ワシ等にも希望が見えてきたわい。
ありがたや、ありがたや」







「ユウ様。
是非この村を救うよう、お願いします」







と、それぞれが口々に祐平に祈願した。







だがサラは、そんな村人達が気に食わなかった。







自分達は恐れて何もやらない上、そう言うのは全部他人任せにしまうところを……







そう言われてしまえば、今更『やめる』と言えなくなってしまう言い方がヒドいと思っていた。







だけど、それは祐平にとってみれば関係のない事。

行くなと言われても、行くつもりであったのだから
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