あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー29】


中に入ると、サラは座って待っていた。






「おう、よく来たナ。
まあ、その辺に座れ」






「…じゃあ、失礼して」






祐平は、隅にちょこんと座った。







「そんなとこで何してル。
もっと、こっちに来い」







そう言われ、仕方なしに近付く。



いくら前に彼女がいたとしても、泊まりは初めてだから
少し気恥ずかしい感じがした。







「なあ……ユウ
お前の星のこと話してくれないか?」








「え?地球のこと?」








突然の質問に、少し驚いてしまった。







「そうダ。何でもいいから聞きたい」








そう言うので、祐平はサラに
地球のこと、
家族のこと、
学校のこと、
友達のこと、
思い付く限り、全てのことを話した。







サラも興味深く、それを聞いていた。






久々の地球の話に、話している祐平本人も楽しくなってきた。







「フフ……そうカ。
ユウの星には、ニャーとうるさく鳴く生き物もいるのか」








サラは、笑いながら話している。







そりゃ確かに、この星に猫がいたら大変である…
と、祐平まで可笑しくなり笑う。







あんまりサラの笑顔を見たことないので、こんな風に笑うんだと祐平は思っていた。







2人は遅くまでたくさんのことを語り、楽しい一時を過ごしたのだ。







そして、いつの間にか2人は静かに眠りについたのだった……
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