あの空の向こうに

【この星をかけて… １４】


「サラもそんなバカバカしいことは意味がないと思っている。
種の違うシュナウザーに転生するなんてな。
だからその作戦を、サラは村で禁忌と決めたんダ」







ただ、人が無駄に死ぬのも耐えられないし、
村人を犠牲にしてまで、シュナウザーを倒そうとは思っていなかった。






「ただ…
普通のシュナウザーに転生は不可能だが、さっきのヤツなら転生してしまうかもしれヌ…」






「ちょっと待てよ、だいたいティナはあの遺跡で他の村人と共に死んだんだろ？
ティナだけシュナウザーに転生するなんておかしい」






ここからは仮定としての可能性を上げよう。

先程の白いシュナウザーは、
他のシュナウザー達の親だとする。








子を産めると言うことは、それはメスであることには違いない。







そして、先程も分かるように
他の種とは違い、目が見え、頭も良い事が分かる。







転生は、女が男に生まれ変わるケースを過去に出たことがなく、
女は女、男は男に生まれ変わる。







つまり、あの遺跡で死んだ女性はティナただ１人だけで、
ヘタをすれば、種に最も違いメスである白シュナウザーに転生する可能性はあった。







まあ、これらは、ただの仮説の話であるが…






「とにかく、俺はそんなの信じないね！
だってティナは……」






その時である！






ドカ！！！






突然けたたましい音が、遺跡に響いた。





「こ、これは…！？」






先ほどのシュナウザーが、入ってきた音かもしれない。








予期せぬ事態に、２人は緊張が走った！






もう、これ以上は奥に行けれない。







バキバキ！！






激しい音と共に、白シュナウザーが部屋に入ってきた…