あの空の向こうに
【この星をかけて…17】


…全てが終わったか…





2人は、その場にペタンと座り込む…






「あ、ありがとなユウ。
サラをかばってくれて……」






先程の、死ぬ間際に祐平の起こした行動のことを、サラは言っていた。






「……ああ、死んでもサラだけは守りたかったんだ…」






「ユウ……」






ドカ!!!!






見つめ合っている2人をよそに、
崩れた遺跡から何かが出て来た!






「シュ、シュナウザー!!」






白シュナウザーはまだ生きており、
そのけたたましい雄叫びを上げながら、こっちを見た。






そして、そのままこちらに這い上がろうとしてきた!






「ヤバい!逃げるゾ!」







と、
サラは走ろうとするが、祐平は動かない。

いや、正確には動けないのだ。

遺跡から出る際、足を怪我してしまい、走ることが出来なくなっていた。






「怪我をしたのかユウ!
大丈夫か!?」






祐平は足を押さえながら、サラに言った。






「サラ、俺を置いてお前だけでも逃げろ…」






その言葉に、サラは拒否をした。






「何を言う!!!
ユウを置いて逃げない!」






「…いいから逃げろ。
お前だけでも助かってくれ…
どうせ俺はもうダメなんだから、さっさと逃げるんだ…」







「サラそんなのイヤだ!
ユウが死ぬなんてイヤだ!!!







その目には、微かに涙が溜まっているように見えた。






白シュナウザーは坂を上がろうとし、迫って来ている。






「イヤだーー!!!
動いてくれー!!!
ユウーー!!!」






ゴゴゴゴゴ!!





その言葉に共鳴するように地面が揺れ、辺り地鳴りが響いた
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