あの空の向こうに
【星を眺める少年ー20】


「ううん、レオンは族長になって村人達を守れる力がある。おじ様もそれを知ってるわ」




「…僕にはティナのように機械に強かったりして頭が良いわけじゃない」




レオンは毎回危険を伴う使いをしてるから村人達の信頼があるだけなんだ、と自分で思っている。




それはやろうと思えば誰にもできること。



どうしても正当後継者の血筋を考えてしまう。




「ティナは1人娘だ。そんな大事な子を連れては行けないよ」



ティナには分かっていた。
危険な目に合わせたくないレオンの気持ちが。




確かにそれは嬉しかった。




しかし、それ以上にレオンが死ぬかもしれない任務に見送り出すわけにはいかない。




ティナはスクっと立ち上がり話し始めた。



「……私ね………小さい頃、両親がシュナウザーに殺されたのよ。私も遺跡に行って彼らの生態系を調べて、この村を救いたい」




ティナはいつものように髪をかき上げ、振り返った。




「私も村の戦士です。このままじゃ両親に顔向けできません」



レオンの瞳を真っ直ぐ見つめる。




その強い瞳にレオンは目を反らせなかった
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