あの空の向こうに
【星を眺める少年ー21】


そんな強い気持ちにレオンは反対するわけにはいかなかった。




「分かった……だけど何かあったらすぐ引き返すんだよ?いいね」




「うん、レオンの足手まといにならないように私頑張る」




重々しい話も終わり、レオンは力が抜けたように体を伸ばした。




それを見たティナも、一緒に体を伸ばすマネをした。




「えへへ」




その楽しそうな顔は、レオンの気持ちも癒してくれた。




「あ、そうだ。さっきの話に戻るけど、レオン知ってるかな?私じゃなくても族長になれる方法って」




「ああ、聞いたことはあるよ。確か、転生の記憶を全て甦らせることだったような…」




そうそうと、ティナは何度も頷く。




「でも確か転生の記憶を甦らせるためには、自分の前世の死体の一部を触らなければならないんだよな?それが本当なのか、僕には分からないが」




誰しもが転生の記憶を持っている中、前世の死体に触れるだけで、前の記憶が全て戻るのだ。




しかし、前世の死体と言っても必ず埋葬されるか機械で焼却してしまうので、その死体に触れるなどと言ったことは、ほぼ不可能である。



しかし、そこには例外があった
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