あの空の向こうに
【星を眺める少年ー22】


「今の族長も、転生の記憶を全て持っているのよ。
おじ様は血筋ではなくて、転生の記憶で族長になれたのよ」





前世の記憶を持つと言うことは、過去の人々の生活や多彩な情報も持っており、加えて今の自分プラス前世の知識も合わさり、族長になるのに相応しいとされていた。





「おじ様も昔はムチャばかりして、いろんな場所に訪れたみたいなの。
そこで密林に横たわっていた死体を触った途端に、転生の記憶が甦ったらしいわ」




実際死体と言っても、族長の触れたのは風化しかかった骨であった。




どんな状態でも(骨でも)その細胞に触れれば転生の記憶と言うのは全て甦るのだ。




レオンはその話を聞いて関心した。





「それはスゴいね。
確かに僕も転生の記憶が甦れば族長にもなれるが、村に居座るより外へ冒険に出たいな」




ティナはクスっと笑った。




「レオンはわんぱくだね」
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