あの空の向こうに
【星を眺める少年ー27】


ザッザッザ……





森の中は様々な草が生い茂り、なかなか前に進むのも困難であった。





そんな中、早々とダラが口を開いた。





「もう少しゆっくり行こうぜ~急いでもいいことないよ?早いと音も出るし…」




「ダラ、まだ森に入って10分しか経ってないわ?
男の子なんだからシッカリしなきゃ」





「そうだよ兄ちゃん、ティナ姉の言うとおりだよ」





「なんだと?さっきまでビクビク怖がってたヤツが……なあ、ティナちゃん」





「ほら、いいからレオンを見習って。
ここは小声でも、あんまり喋っちゃいけない場所よ?」





レオンは黙々と草をかき分け、前に進んでいる。





その姿をみたダラは渋々と草をかき分け始めた。





「そう、その調子その調子★」





ティナは少し楽しい気分であった。





それはやはりこの二人の緊張感のなさが、逆にリラックスして気を緩めてくれてるのだと思う。





だが、そんな気楽な兄弟も、ある異変に気付き緊張感の糸を張った
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