あの空の向こうに
【星を眺める少年ー29】


………………………




しばらくの沈黙で進むこと数時間。
遠くだが先代の遺跡が見えてきた。





それと同時に、その周りに黒い物体が動いてるのを確認し、今度は間違いなくハッキリとその姿を捉えていた。





シュナウザーである。





レオンは振り返り2人に言った。





「護衛はここまでだ。二人ともありがとう。あとは僕とティナで行くよ」





ここからは少人数の方が正しい。
レオンはそう判断し、2人に告げる。





馴れてもないシュナウザーの対応に、二人は逆に足手まといになってしまう可能性がある。
それはデラとダラにも分かっていた。





「いいのか?本当に2人で大丈夫か?」




レオンとティナは、同時に頷いた。





「そうか……分かった。じゃあ後は任せたぞ。決して死ぬんじゃないぞ」





ダラはレオンの肩を力強く掴んだ。





「ありがとうダラ。じゃあ行ってくるよ」




去ろうとしたレオンを、ダラは腕を掴み引き止めた。




「ちょっと待て。これをお前に預ける」



ダラは袋から何かを取り出すと、それをポンとレオンに手渡した。




「これは、コロナーじゃないか。いいのか?武器なしで帰るなんて…」





「いいんだよレオン。俺達のことは心配せず、自分達の身を守れよ。そいつでティナちゃんを守ってやるんだぞ」





「分かったよダラ。ありがとう。必ずこれを返すよ」




「ああ、死んだら承知しねえぞ」




そう言い二人は腕を交わし、深い森の中で約束を誓った
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