あの空の向こうに
【星を眺める少年ー30】

デラとダラと別れたのち、レオンとティナは二人きりになってしまった。





「少し心細い?」





「ううん、レオンが側にいれば安心よ」




その笑顔に、レオンも安心したようだ。




「じゃあ、行こうかティナ」





二人は手を握り、一歩一歩慎重に歩いてゆく。





目の前にはシュナウザーがうろついていだが、レオン達は時には止まり、時には早足で歩き、うまくその間をくい潜って行った。




そして、遺跡の近くへと近付いた時、二人の足は完全に止まる。




目の前にはレオンが予想してたより巨大な遺跡があり、その周りは原っぱになって、建物は一際目立っていた。




その遺跡にはツルが伝っており、何年もの歳月が経っているようだ。




そんな遺跡の目の前の木陰に、二人は身を潜めていた。





(ティナ、見えるかい?目の前が遺跡の入り口だが、その奥の方にヤツらがうろついてるのが見える)




(うん、見える。それにあの入り口…機械のドアのようだわ)




(やはりそうか…ここまで巨大で、しかも入り口から機械で作られた遺跡はない。
先代達の作った、何か重要なものが隠されているかもしれない)




今までにないくらいに小声で話し合い、レオンはここに必ず何かがあると践んだ。




レオンは遺跡に指を指した。




(いいかいティナ。ヤツらがうまく向こうに行ったら、タイミング良くここを出て入り口を開けるんだ)
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