あの空の向こうに
【星を眺める少年ー34】


殺される……!!
そう思った次の瞬間、ティナの耳にそっと言葉が聞こえた。





「静かにしろ……!シュナウザーに聞こえるぞ……!」





…それは、人間の声であった。




その言葉に、徐々に冷静さを取り戻してくレオンとティナ。




気を落ち着かせ、レオンは再びティナの後ろを見ると、黒い姿にキラキラと光る飾りもの。
目はギョロっとしてるものの、髪の毛があるのが分かる。





紛れもなく人間である。





その男は力をゆっくりと抜いていった。




「少しは落ち着いたか?今ゆっくり離すから、騒ぐんじゃないぞ」





そう言うと、男はティナを離し、レオンを羽交い締めにしてたもう1人の人物もその手を離した。





それと同時であろうか??どこからか機会仕掛けの音が聞こえると共に、ホールの明かりが次々と点いていった。





明るくなった場所から見れば、やはりなんてことない普通の人間であった。





正体が人と分かり、ティナはホッと胸を撫で下ろす。





「…驚かせて、すまなかった。だが君達が先に大声を出したんだ。今後、注意したまえ」





レオンは改めて伺った。





「あ、あなた方は?」




「我々は別の村からきた調査隊だ。この先代の遺跡を調べるため、つい先刻ここへたどり着いたのだ」
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