あの空の向こうに
【星を眺める少年ー36】


そんな心配をよそに、ティナは研究システムのことを話し続ける。
もちろんレオンは難しい話についてはいけなかった。





「ティナ、ワープシステムって他の星に瞬時に行けるってヤツかい?」





その質問は、ティナではなく男が答えた。




「そうだ、そのシステムがここで開発されていたのだ。
こちらへ来たまえ、見せてあげよう」





男が案内するままについていく2人。




ホールの奥には、様々な部屋に通じるドアがいくつも設けられていた。





その一番先に、ガラスウィンドウの巨大な部屋があった。





「ここが、そのシステムの中枢だ」





そこにはすでに、この男と同じ村人であろう人達が、ガラス越しに作業をしてるのが見えた。





「見えるか?あれが宇宙に瞬間的に移動できる船だ」





と、指を指した先には、とても船とは呼べる代物ではないくらい小さな丸い機械があった。





「…今はまだ人1人しか乗せられない小さな船しか開発されてない。
しかし、あのサイズでも瞬間移動装置を作れることが奇跡だよ」




男は、これらを作った先代を敬うように説明をした。





「先代達も本当はこの施設で巨大な船を作り、この悪魔の星から人々を脱出させたかっただろうが、研究途中でシュナウザー達に殺されたみたいだ」





先程ティナが見て驚いた死体は、全てシュナウザーに殺された者達だった
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