あの空の向こうに
【星を眺める少年ー39】


全員が死を予感し、絶望の淵に立たされており、中には恐怖で泣き出す者もいた。





そんな混乱してるざわめきの中、一つの声が響き渡った。





「静かにしろ!!!」




――――――ン!!





あまりにもでかい声で一喝された全員はピタリと止まり、一瞬にして静けさが戻った。
先程のざわめきが嘘のようである。





その一声を放ったのは、なんとレオンであった。





初めて聞くレオンの大声に、ティナは目を丸くして驚いている。




―――スウ!!




レオンは息を吸い込んだ。




「いいかみんな!!こうなったらシュナウザーはもう誰も止められない!!
だが!ヤツらがここに来る前にホールを封鎖し、侵入を食い止めるのだ!!諦めるのはまだ早い!!」





誰一人頷きはしなかったものの、みんながレオンの声に聞き入っている。





それに便乗し、先程の男が加わった。





「そうだ!この若者の言う通りだ!!ヤツらはまだホールに来てない!!こちらがヤツらより先に行き通路を封鎖するのだ!」





それまで躊躇していた人達が、少しだがピクリと動き始めた。





「さあ…分かったら早く行けぃ!」





その最後の一声で、全員一斉にホールへと飛び出した!!
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