あの空の向こうに
【星を眺める少年ー40】


ある人はホールを閉鎖しに向かい、ある人はセキュリティーをロックするため管理室に向かい、ある人はシュナウザーに対抗するため武器を集める。





誰に言われるでもなく各々の役割を分担し、見事な統率がとれていた。





男はその様子を見て、レオンに手を差し伸べた。





「ありがとう若者よ。
君の一声でみんなが力を合わせることができた。本当に感謝する」





がっしりと手を握り、男は感謝の意を表明していた。





「お礼なんていいんですよ。
それより我々もヤツらの侵入を食い止めましょう!」





そう言うと、レオンはティナの方に向きを変える。





「ティナ、僕はヤツらの侵入を防ぐため、ホールへ行くよ」





「!?ダメよレオン!そんなの危険過ぎるわ!!ホールになんて行かないで!!」





そんなレオンの言葉を聞いたティナは、必死にレオンの腕を掴んで離そうとはしなかった。





「心配しないで。
ティナにもらったこの守り首飾りがあるから僕は大丈夫だよ。
必ず生きて戻って来るから」





そう言うものの、この手を離したら、もうレオンに会えないかもしれない。
そう思うと、どうしても離せなかった。





「ティナ…」





レオンはティナをそっと抱き寄せた。





「大丈夫だから……
必ず…また会えるから…約束するよ……」





周りの音など聞こえないくらい、鮮明にその言葉はティナの耳に焼き付いていった。





そして、レオンはティナの手を抜けるように走り出し、ホールへ向かった。





「すまない!ティナを頼む!!」





走りながらそう男に言い、レオンはホールへと姿を消して行った
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