あの空の向こうに
【星を眺める少年ー41】


「離して!」




男の手に引かれながら、ティナは必死で抵抗している。





「ダメだ!離したらホールに行くのだろう?ホールは危険だ!
それに、あの若者に君を任せるよう頼まれてる。
最後の彼の願いくらい聞いてあげよう!」




「そんなもう死んじゃうような言い方しないで!!
レオンー!レオンー!」





ティナは、ひたすらレオンの名を呼び続けながら奥の部屋へと連れて行かれた。





その頃、レオンはちょうどホールにと着いた時だった。





すでに何人かの人達は、ホールに侵入させないため通路に板を張っていた。





どうやら管理室で誰かがセキュリティーの操作をしてくれたお陰か、思いのほかシュナウザーの進行は遅れている。





「今の内に通路を塞ぐんだ!!」





レオンに声に合わせ通路を塞ぎ、更にありったけの物を板の前に敷き詰めた。





作業が終わると、みな封鎖した通路を見ながら息を飲み、ホールは静けさが漂った。





そうしてる内に、ザワザワと通路から音が近付いてきた。





「来たか…!」





レオンはグッと身構えた
< 41 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop