あの空の向こうに
【星を眺める少年ー43】


しばらく待っていると、ガラス越しに誰かゆっくり歩いて来るのが見えた。




通路は暗くなっているので、ティナは目を凝らして見た。





あの胸にある首飾りは………





「レオン…!」





ティナは喜び、レオンを迎え入れようとした……

……だが、レオンの様子がおかしい。





暗い通路からだんだん見えてきたのは、血で真っ赤に染まったレオンの姿であった。





「…………!!」





その姿にティナは声も出なかった。





研究室に入ってきたレオンは、息を切らしている

そして、その場にガクッとひざまずいてしまった。





「レオン!!」





ティナはレオンに駆け寄り抱え込む。





「どうしたのよ!?レオンしっかりして!!」





血まみれであるが、レオン自身からはそんなに血が出てるわけではない。





これは、他の人の血も浴びてきた事を意味していた。





レオンは息を切らしながらも、ティナの目を見て答えた。





「ハアハア……ゴメン……ダメだったよ…ヤツらの侵入を許してしまった……」
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