あの空の向こうに
【星を眺める少年ー47】


「……レオン…。
実はこの遺跡に来る前から覚悟は決めていたの…
あなただけをこの船に乗せて、この星から脱出させるために……」





「な、なんだって……ここに来る前から…?」





ティナは、この遺跡に瞬間移動装置の船があることを予想し、レオンだけを脱出させることを密かに決意していた。





「なぜ………何故僕だけ……」





「先代の研究でこの装置が一人乗りなのは知ってたわ…
みんなで脱出したかった先代達は、結局この一人用の船を使わずみんな殺されてしまったけど、この船であなただけはここから逃げてほしいの……」





「……そんな…!
……い、一緒にいるって約束したじゃないか…!
生まれ変わってもずっとずっと一緒だって……!」





ティナは、涙を流しながら首を振った。




「できない…!
それはできないのよレオン……」




続けてティナは話し続ける。





「アナタを違う星に飛ばしたら最後、もう二度とこの星には戻って来れない……
そして、そこで死んだとしても、魂はその星での転生しかできないから、この星で生まれ変わることはできない…」





それは、ティナにもう二度と会えないことを意味していた
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