あの空の向こうに
【星を眺める少年ー49】


最後の力を振り絞り、そっとティナを抱きしめた。






離れたくない……







もう会えないなんてイヤだ………







自然に流れ出る涙………






そして気付けば、感覚がなくなってきてるレオンの腕の中には、ティナはいなかった………







もう、この腕の中に君はいない………





ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛!






ティナの押したスイッチで船はゆっくり動き、宙を浮き始めた。





船のガラスから目で見えるのは、涙を溜めたティナの見上げる姿……





もう感覚もないが、精一杯の声でレオンは叫んだ。





「ティナ!!!!
絶対!絶対死んでも君を忘れないよ!!!!
必ずこの星にキミに会うため戻ってくる!!!!
約束するよ――――――!!!」






叶わない約束に涙を流すティナ。






そして――………






バチバチバチ!!!!






けたたましい音と共に、船は光に包まれた。






瞬間移動装置が稼動した!!!






「ティナ――――――――――!!!!!!!」






バーーーーン!!!!!






その言葉と共に、船は姿を消したのであった…
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