あの空の向こうに
【星を眺める少年ー50】


しばらく茫然と上を見上げるティナ。
もちろん遺跡の天井しか見えない。





「大丈夫かね……?」




男は心配そうに訪ねた。





「…ごめんなさい、見知らぬアナタまで巻き込んで…」






「いや……いいんだ…
あの若者には感謝してるのだから…」







パリーン!!!!






けたたましく、ガラスの割れる音がした。






「ふ……あれだけの轟音がしたんだ…来ないわけがないか…」






ガラスが割れた目の前には、何匹もの黒い悪魔が立っていた。





レオンの船の音を嗅ぎつけ、シュナウザー達はこの部屋に侵入してきたのだ。






「レオン……」






ティナはにっこりと笑って、目をつぶったのだった……






……………………………





レオンの船で、機械がデータを処理していた。






ティナが打ち込んだ船の行き先のデータは、自分達に近い人種がいるような、争いのない平和な星とインプットされてある。





ピピピピピピピ!






船が反応し、何回もワープを行う。






そして………






船はある星を選んだ…。






その星の上空にワープをすると、船はゆっくり地上に降りてゆく。






目の前には、見たこともないデカい山々が見えた。






機械が反応するように答えた。






「インプットされた星に着きました…この星の名前は…………「チキュウ」………」





そして、ゆっくり地上に降りるとドアが開いた。





だが……この時にはすでにレオンは息絶えていたのだった……
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