あの空の向こうに
【転生―3】


キーンコーンカーンコーン





机の前で、祐平は小刻みに震えていた。





「ち、ちくしょう……」





祐平の机には、アホっ子ちゃんシールが一枚追加されていた。






祐平のいない間に、あの担任がコッソリ貼ったのだった。







「ぬあ~~~!!
あのヒゲミめ!!許さん~!」





担任の名は里見だが、髭がボサボサなのでみんなからヒゲミと呼ばれている(本人に直接は言えんが)





「どうしたの?祐平。
聞いたわよ、またヒゲティーにからかわれたんだって?」




祐平が振り向くと、目のクリっとしたセミロングの女の子が立っていた。






それは隣のクラスにいる、祐平の彼女の田中薫であった。






「ああ、カオルか…またやられちまったよ」





「んもう!やられちゃったじゃないでしょ?
祐平のせいで私までヒゲティーにからかわれるんだから!」





ちなみに、ヒゲティーとは髭・ティーチャーを略しヒゲティーと言い、
これもまた女子がよく使う里見先生の名であった(本人には直接言えんが!)






「しょうがねえだろ!俺もあのヒゲミにいつもからかわれるんだよ!」





2人でギャーギャー痴話喧嘩をしていると、後ろから声が聞こえた。





「ヒゲミやヒゲティーとは誰のことだね?」





2人はギクッとし、振り返る。





そこには担任のヒゲミが立っていた。






「え……えへ★」





二人はにっこりと笑った。
ヒゲミもにっこりと笑った
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