あの空の向こうに
【転生ー9】

「それいいわね、面白そう!」



「で、どうだった?
ヒゲミの嫌いなものは?」




祐平の質問に、内山が答えた。



「オウ。実はな。
ヒゲミの嫌いなものはカエルなんだとさ」




「カエル!?」




祐平と薫は、2人で口を合わせて言った。




実は、この2人もカエルは得意ではない。




しかし…ここでやらねば誰がやる?




2人は決意した!




「よ、よ~し…
やってやろうじゃないか!」




すると、内山達はスリスリと手を合わせた。




「あの~祐平さん…
報酬の件なんですが……」




妙に腰が低く、薫の目には怪しく見えた。




「おう」




祐平は一枚の封筒を渡すと、2人は「へへ~!」と言いながら封筒を受け取る。




その中身は、数種類のグラビアアイドルの生写真であった。




「ちょっと…何よそれ」




3人の様子が、悪徳代官のやり取りに見えたのだ。




「な、なんでもないよ…」





…バレたら殺される…





話をはぐらかすように、祐平は明日の作戦に話を戻した。





「と、とにかく明日朝7時に集合だ!!」





「あ、じゃあ祐平。
朝、通る時に私が起こしてあげよっか?」





「いや!
大丈夫だ、自分で起きれる」




と、気合い十分であった。




「え、祐平が自分で起きるなんて1000%有り得ない」




「アホ!ケタを1つ増やすな!
それを言うなら100%だろ!
…まあ、こうゆうことに関しては早く起きれるぜぃ!」




祐平は、修学旅行とかも自力で起き、朝一番に来るタイプであった!





それを知ってか、薫はその言葉を信じた。





「分かった。じゃあ、朝の通学路でカエルは調達ね!」




「ああ!そいつで大魔王ヒゲミを倒すんだ!」




エイエイオー!




教室には、アホ達のかけ声が響き渡った……
< 59 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop