あの空の向こうに
【転生ー13】
「私…彼がいたじゃん?
だけど彼がいるそんな私に、別の人が好きって言ってくれたんだ」
それは、珍しいことではなかった。
チカは性格も明るく元気なので、他の人に好かれてもおかしくない話だった。
「彼は裏切れないけど、好かれるのに悪い気がしなかった。
その人、いつも私に優しくしてくれて、私だけを見てくれてた。
そしていつしか、私のこと好きなのは当たり前のことだと思っていた」
滅多に聞かないチカのこんな話に、祐平は静かに話を聞く。
「だけどね…
ある日、私のちょっとした一言でその人傷ついて、違う人と付き合っちゃったの…」
チカは昔を思い出し、出てきそうな感情をこらえた。
「その人が去ってから何もかもが空っぽ……
いつもあったメールや電話…当たり前のことがなくなるってこんなに悲しいなんて…」
祐平は、黙って聞いている。
「今でも後悔している。
本当に大事な人って失ってから気付くのよね…」
いつもの元気なチカの顔は、すっかりなくなっていた。
今まで、チカのこんな一面は見たことがないので、言葉をうまくかけられなかった。
すると、チカはパンパンと自分の顔を叩いた。
「つまり!
祐平にも私みたいな思いさせたくないの!
なんか薫を裏切るような言葉だけど、本当に大事な人は失ったら辛いよ?
分かった!?」
いつもの元気と迫力が戻っていた。
「お………おう……
分かった……
俺なら大丈夫だ」
「そう」
そう言い、チカはニッコリ笑うと祐平から自分の荷物を取り上げた。
「じゃあここでね~」
と、あっという間に去ってしまった
「私…彼がいたじゃん?
だけど彼がいるそんな私に、別の人が好きって言ってくれたんだ」
それは、珍しいことではなかった。
チカは性格も明るく元気なので、他の人に好かれてもおかしくない話だった。
「彼は裏切れないけど、好かれるのに悪い気がしなかった。
その人、いつも私に優しくしてくれて、私だけを見てくれてた。
そしていつしか、私のこと好きなのは当たり前のことだと思っていた」
滅多に聞かないチカのこんな話に、祐平は静かに話を聞く。
「だけどね…
ある日、私のちょっとした一言でその人傷ついて、違う人と付き合っちゃったの…」
チカは昔を思い出し、出てきそうな感情をこらえた。
「その人が去ってから何もかもが空っぽ……
いつもあったメールや電話…当たり前のことがなくなるってこんなに悲しいなんて…」
祐平は、黙って聞いている。
「今でも後悔している。
本当に大事な人って失ってから気付くのよね…」
いつもの元気なチカの顔は、すっかりなくなっていた。
今まで、チカのこんな一面は見たことがないので、言葉をうまくかけられなかった。
すると、チカはパンパンと自分の顔を叩いた。
「つまり!
祐平にも私みたいな思いさせたくないの!
なんか薫を裏切るような言葉だけど、本当に大事な人は失ったら辛いよ?
分かった!?」
いつもの元気と迫力が戻っていた。
「お………おう……
分かった……
俺なら大丈夫だ」
「そう」
そう言い、チカはニッコリ笑うと祐平から自分の荷物を取り上げた。
「じゃあここでね~」
と、あっという間に去ってしまった