あの空の向こうに
【転生ー14】


その後の帰り道、祐平はとぼとぼと歩いていた。





考えているのは、チカの一言。






「本当に大切な人…………か」







喉まで出かかっている何かが、吐き出しそうなくらいである。






「う~ん……」





確かに今までも、誰と付き合っても何かが違ってる気がした。





だからと言って薫以外に好きな人はいないし、
別に今、薫の他に告白された人もいない。







だけど「本当に大切な人」と言う言葉だけが、どうしても引っかかった。







学校は毎日楽しい…







先生と馬鹿なことし合ってる事も、友達に変な報酬を渡したりして馬鹿騒ぎする事も、いつも笑っていたいからである。






まるで、何かを忘れるがために、あえて馬鹿なことしたりして気を紛らわしているようだ。






毎日笑う反面、心の葛藤が広がっていくのを感じる。






不満なんてないハズなのに…






そんなことを考えて家に帰ると、今日もベットに倒れ込んだ
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