あの空の向こうに
【転生ー15】


「お邪魔しま~す」





しばらくすると、下から薫の声が聞こえてきた。






「う……ん?」






起き上がると、薫はすでに部屋に入ってきていた。






「また夜空見てたの?」






「いや……寝てただけ…」






…と、薫のその言葉にハッとし、祐平はシャっとカーテンを開けた!






外は雨が上がり、星空が綺麗に見えていた。






久々に見るあの星に、祐平はホッとしてる。






「雨上がったんだよ。
今日はとても静かな夜ね…」







雨上がりの夜は、不思議といつも静かである。






こんな静かな夜…
前にもどこかで感じたことがある…







遠い遠い昔どこかで…






祐平は、薫の声も聞こえないくらいに星を見続けていた。






何か大切なことを、思い出せそうで思い出せない。






「ねえ。ボ~っと星ばっか見てないでこれ見てよ。
ホラ、可愛いでしょ?」






ふと見ると、薫の手に持つ、2つに割れた石のキーホルダーが祐平の目に飛び込んだ。






祐平の目が点になる…







「これね、友達からもらったんだ。
これをこうして、2つの石を合わせるのよ」







カチっ…と石を合わせて見せる薫。







バ――――――ン!!







頭に衝撃が走った。






祐平はそれを見て、時が止まったかのように唖然としている。







「どうしたの?祐平?」






様子のおかしい祐平に、薫は手を降ってみるものの、反応は全くなかった。







すると、祐平はフラっと立ち上がった。







そして、祐平はゆっくりと口を開いた。






「……ティナ」
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