あの空の向こうに
【転生ー16】


薫は、いつものように祐平がふざけているものだと思い、それに反応して文句を言った。






「ティナって誰~?
あ、グラビアの子の名前でしょ!
んもう、そんなのばっか見てないでよ」






しかし、違う。






いつもの祐平の様子とは、明らかに違っている。







だが、そのことに薫は未だに気付いていない。





祐平は、自分の部屋のドアを開けると外に指を指した。






「……薫…悪いけど帰ってくんないか?」





流石の薫も、様子がおかしいのに気付いたようだ。






「どうしたの…?
変だよ祐平…」






「……」





そう…この時祐平はすでに過去の記憶を一つ思い出していた……






とても大事なこと…





誰よりも愛していた者の存在のこと…






ティナの全てを…
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