あの空の向こうに
【星を眺める少年ー8】

いつも元気で優しいこの子の笑顔を、いつまでも絶やさず幸せでいてほしい。



だが、この星に生きている限り、それは儚い夢であることは分かっていた。



「ティナ、これからはもう少し静かに遊ばなければ、パパだって怪物達に食べられてしまうかもしれないよ?」



その言葉を聞いたティナは、今にも泣きそうである。



でも、泣くのさえティナは我慢した。


大声で泣こうものなら、怪物に大好きなお父さんが食べられてしまうと思ったからである。



我慢してるティナの気持ちを察し、頭を撫でてあげる。



「大丈夫だよ、お前がいい子にしていれば、パパはどこにもいかないよ」



「ホント?ホントにホント?」



「ああ、約束だ」




そう言うとまた頭を撫で、いつまでもティナの側で微笑んでいた。
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