あの空の向こうに
【転生ー31】


やはりここに宇宙船はあった。
祐平の予想通り、誰にも触れられた形跡などなく、
17年間その形は変わることなく森の中で眠っていた。







祐平の耳にはまだ耳鳴りの音が聞こえており、どうやら宇宙船の中から共鳴しているようだ。







「こんなのが本当にあの星に行けるのかな…?
ドアはどこで開けるんだろ…」







祐平はあちらこちらを触り、外にいくつかのボタンがあるのを確認した。







そこには、読めない何かの文字が刻まれている。







「フッ、なめるなよ。
俺はヒゲミの数学は苦手だけど、化学は大得意なんだぞ」







そう言うと、カタカタと機械の操作を始めた。







「ん……、多分これだな」







最後に一つボタンを押すと、カチっと何かが音を起てた。







「〃〇★&■§§」






聞いたことのない言葉と共に、ドアはゆっくりと開いていく……







そして、そこには……







「うわ!!!」







それを見た祐平は、とっさに飛び上がった。







中には人型の死骸が、骨となり操縦席に座っている。







その首には、不思議な色の石の首飾りがついている。







「う………耳鳴りが凄い…
頭が割れそうだ……
こ、これが…前世の俺の成れ果てなのか…?」







そう言い、祐平はその死骸にそっと手を伸ばそうとした…
< 83 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop