【短】愛なんて誓わせない
「ごめん…」
何で謝るの…?
ベッドから立ち上がり、部屋を出ていこうとする直くん。
『直くん…今の…』
何で?って聞こうとしたのに……
「俺…結婚するんだ…」
そう私に背を向けたまま言うと部屋を出て行ってしまった…。
パタンッと閉まったドアの音が冷たく聞こえる。
『直くんが…結婚…?』
嘘でしょ…?
じゃあなんでキスなんてしたの?
私…初めてだったんだよ?
びっくりしたけど何処か期待してた…。
自分の中に秘めてた想いと、直くんも同じ気持ちなんだって。
だけど…直くんは違ったの?
やっぱり私は妹でしか無いの?
ズルいよ…一生懸命気持ちを抑えてたのに…。
『ふっぅ…!』
みんなに聞こえないように声を押し殺して泣いた…。