【短】愛なんて誓わせない

「おい、いい加減にしろよ。
凜、帰るぞ」


そう言って私の腕を引っ張り歩き始めた。

「えっ!ちょっと、直人買い物は!?」

そう言ってる彼女を無視してる直くん。

私の腕を掴んだまま直くんが、ずんずん歩くからあたしは足がもつれて転びそうになる。

『なお…直くん!』


呼んだらやっと止まった。


「ごめん、痛かった!?」

そう言って手を慌てて離す直くん。


『大丈夫…。だけど彼女良かったの?』

「あぁ…良いの。凜の方が大事だし」

『え…?』

どういう事?


「…だって俺の妹だろ?だからあいつの言った事なんて気にすんな!」


そう言っていつもの優しい笑顔で頭を撫でてくれたんだ。

やっぱり直くんには妹でしかないんだって思ったけど、それでも私を優先してくれた事は嬉しかった。

だからこの時決めたんだ、妹として側に居られるならこの想いは自分の中に秘めておこうって。


だけど……



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