プレーン
「――第一接点ないだろ?ぼくは誰からも相手されない文学オタクで、彼女は……」
――なんで泣きそうなんだよこころ。
なぜ?彼女の為に?
涙を引っ込めるみたいに目を細めて、こころは次第に俯いてしまう。
もうこころは僕を見限ったのか。
この先こころが僕に笑いかける事は無いのか。
失敗した。
(いや、これでいい。やっと静かになる。)
こころに嫌われたくない。
(馬鹿な。)
そんなのイヤだ!
(それこそ嘘だ!)
一生岬さんの話をしてもいいから!
(勘弁してくれ!)
だから
(だから……)
――……泣かないでこころ。君を悲しませたくないんだ。