櫻桃~サクランボみたいな二人~
第二章 転校生
*桃花sude*
昨日の夜は楽しかった。夜遅くまで、たわいもない事を話した。
そんなことに夢中なあたしに
「何、ニヤけてるのかなぁ~?も・も・か・ちゃぁ~ん?」
「べ、別に」
「ふ~ん。まぁ、いいけど」
みつちゃんは、ニヤニヤしながら言った。
「そういえば、今日、転校生が来るらしいよ」
「へぇ~。ねぇ、男?女?」
「どっちも。男と女の双子だってさ」
異性の双子かぁ…変わってるなぁ。
「ねぇ、かわいい?かっこいい?」
「さぁ、そこまでは…」
「女の子の方…可愛くないといいなぁ…」
「なんで?」
だって、可愛かったら、光輝がその子の事を好きになったら…
「だって、光輝がその子の事、好きになっちゃったら、あたし、あたし…」
そんなことを心配してるところに…
「大丈夫。俺は転校生なんか、好きになんかなんないから」
光輝が言った。でも、その言葉に、少し、ホッとした。
「そうだねぇ~、光輝君。あっ、転校生なんか好きになったら…許さないよ」
みつちゃんは言った。
あたしが思うに、みつちゃんは光輝の弱みを握っている。絶対。
「……はい……」
光輝は怖じ気づきながら、返事した。
そんな、二人のやり取りを、あたしは笑いながら、見ていた。