櫻桃~サクランボみたいな二人~


「とりあえず、帰るぞ。」

「む、無理。」

「なんで?別に行かないんだろ?だったら普通に…」

「いいの!しかも今日バイトだから!早く行かなきゃなの!」

と、あたしは嘘を言い張った。

「…あっそうかよ。勝手にしろよバーカ。」

…怒らせちゃった……

「梶川!帰るぞ!」

「は?なんであんたと一緒に…ちょっ!ちょっと!!」

光輝は、無理矢理みつちゃんの手を引いた。

「じゃあな!バカ桃花!!」

と言い、二人は去った。

「…別にいーもん。二人の方がお似合いだし…美男美女で仲良くやればいーじゃん…」

「ねぇ、桃花ちゃん。体育倉庫に来てって蜜乃ちゃんが言ってたよー?」

「え?みつちゃんが?だって今みつちゃんは…「いいから早く行きなよ。大事な話なんだって」」

あたしが言いかけたところでクラスメイトにのA子ちゃんが言った。

「う、うん。わかった。それじゃいってくるね!」

と言った後、すぐに駆けだした桃花の耳には、クラスメイトの怪しげな笑い声は聞こえなかった。
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