涙が愛しさに変わるまで
ほろ苦い味が口いっぱいに広がる。
あたしは自分の唇に触れた。
あたし……桐沢社長とキスしちゃったの?
イケメンだけどドSなあの社長と…?
“可愛いね、真衣?”
思い出して顔が熱くなる。
もぅ、あっちいけないよ……
あたしが一人でしゃがみこんでいると、後ろから誰かに蹴られた。
「痛っ!誰ですか!?」
あたしが振り向くと……そこには冷たい目をしてる桐沢社長。
「いつ休憩をとってもいいと?」
桐沢社長が腕を組みながら見下ろした。
「客が来る。準備しとけ」
今は12時……。あと3時間で準備。
昼もいれたら……大丈夫か……?
「すいません。急いで準備します。」