涙が愛しさに変わるまで
「ふふっ。真依ちゃん?」
「な……夏羽さん」
もう心臓が飛び出そうなくらい、激しく脈を打ち始めた。
夏羽さんから電話だなんて……もう話すことなんて一つしかない。
「そんなに緊張しないでよ真依ちゃん。明日、真依ちゃんと会いたいんだけど会えるかしら?」
ニッコリという効果音が聞こえてきそうなくらい、明るい声で話す夏羽さん。
それが逆に怖いと思ってしまう……。
「………はぃ。」
「そう!じゃあ社長室に行かせてもらうわね。」
「………わかりました」
あたしが了解すると「それじゃあ明日」と優しく笑って電話は切られた。
ゆっくり受話器を置いた後、いっきに腰が抜けて座り込んだ。
「……どうすればいいの?」