涙が愛しさに変わるまで


「ふふっ。真依ちゃん?」



「な……夏羽さん」



もう心臓が飛び出そうなくらい、激しく脈を打ち始めた。



夏羽さんから電話だなんて……もう話すことなんて一つしかない。



「そんなに緊張しないでよ真依ちゃん。明日、真依ちゃんと会いたいんだけど会えるかしら?」



ニッコリという効果音が聞こえてきそうなくらい、明るい声で話す夏羽さん。



それが逆に怖いと思ってしまう……。



「………はぃ。」



「そう!じゃあ社長室に行かせてもらうわね。」



「………わかりました」



あたしが了解すると「それじゃあ明日」と優しく笑って電話は切られた。



ゆっくり受話器を置いた後、いっきに腰が抜けて座り込んだ。




「……どうすればいいの?」



< 100 / 244 >

この作品をシェア

pagetop