涙が愛しさに変わるまで
♪一階です
エレベーターのアナウンスとともに、ドアが開く。
透明な入口のドアから夕日が差し込んできて、あたしは目を細めた。
こんな輝く光り……あたしには似合わないよね。
「片岡さん!」
「あ、水野課長……」
あたしが歩いていると後ろから名前を呼ばれ、振り返った。
そこにはニコニコという感じの笑い顔と眼鏡がとてもよく似合う水野課長がいた。
「暗いですよ?片岡さんらしくないじゃないですか。」
「…………」
「……片岡さん。なにかあったなら僕が聞きますよ?」