涙が愛しさに変わるまで


「え……」



あたしはつい驚いて声を出してしまった。



だって……こんなあたしの相談にのってくれる人今はいないから。



「いや……でもいいです。大丈夫ですから。」



本当は聞いてほしい……だけどやっぱり強がってしまう。



あたしは帰ろうとまた視線を前に戻した。



「片岡さん!」



「え……?なんですか?」



視線を前に向けてすぐに、水野課長に後ろから肩を掴まれて振り向かされた。



「無理しないでください。……そんな真依みたくねぇんだよ。」



悲しそうな……苦しそうな顔で『真依』なんて呼ばれて、ドキンとしてしまった。



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