涙が愛しさに変わるまで
「やっぱり真依ちゃんはお利口さんね。」
そう言うと夏羽さんはソファーから立ち上がり、扉の前までいった。
あたしはガタガタと肩が震えるのを必死におさえた。
「今日中には出ていってね?………ふふっ。ねぇ、真依ちゃん?あなたは誠に愛されてたと思う?」
「………え」
夏羽さんがゆっくり振り向いた。
そこには見たこともないくらい不気味な笑顔を浮かべた……悪魔がいた。
「ははっ。そんなわけないじゃない!誠はあたしと愛しあってたの!しょせんあんたは遊び。二番目でしかないのよ!」
かん高い声で笑いながら夏羽さんは社長室か出ていった。