涙が愛しさに変わるまで


まだ社員の人の出勤時間にはまだ早いため、ちらほら人がいる程度。



あたしはヒリヒリ痛む目をかばいながら歩いた。



重い足どりだったけど、もう出口のドアの前だった。


あたしはまた少し涙がこみあげてきた。



それを必死にこらえながら心の中で呟いた。



さよなら……会社も桐沢社長も。



ゆっくりと出口をまたいで、あたしはこの会社と桐沢社長にさよならをした。



会社から出た後も考えるのは桐沢社長のことばかり。


桐沢社長の新しい秘書は誰だろうな……?



桐沢社長が好きなコーヒーの種類わかるかな……?



桐沢社長……その子のこともあだ名で呼ぶのかな



その子にも……抱きしめたり……キスするのかな



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