涙が愛しさに変わるまで


やだよ…?



そんなことしないで欲しい。



でも桐沢社長からすればあたしだってそういう存在でしかない。



みんな同じなんだと思う。


桐沢社長……あたしは少しでもあなたの記憶に刻まれましたか?



あたしは桐沢社長に会って、初めて心から愛してると思いました。



二番目だったけど……それでも……それでもあたしはあなたのそばにいれたことがなにより嬉しかった。



そんなふうに考えごとをしていたら、あたしは斜め右に水族館を見つけた。



でっかいわけじゃないけど確かに水族館。



毎日急いで行き来していたため、気がつかなかった。


……今日はすることもないし、入ってみようかな?



あたしは水族館へ向かった。



水族館は朝なのにもう営業していた。



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