涙が愛しさに変わるまで


水族館内は暗く、水槽に照らされてるライトだけがぼんやりと明るかった。



あたしは特に魚に興味があるわけじゃないのに、水中をスイスイ泳ぐ魚達に見とれていた。



あたしは水族館内をゆっくり歩いた。



その中で見つけたクラゲ。


フワフワ泳ぐクラゲにあたしは釘付けになった。



おかしいかもしれない……あたしはクラゲを見てなぜか切なくなった。



そういえば前にテレビで言ってたけど、クラゲには感情がないらしい。



あたしは感情がないのなんて考えられないけど、でも……もし感情がなくなったらあたしはこんなに苦しまないのかな。



あたしはどれくらいの時間クラゲを見ていたんだろう。



感情がなくなったら……そんなことをクラゲを見ながらひたすら考えた。



「あの……」



あたしは後ろから声がしたので振り返ってた。



「大丈夫ですか??」



あたしの目の前にはいかにも高校生という感じの、顔立ちが綺麗な女の子がいた。



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