涙が愛しさに変わるまで
2:甘い誘惑
あれから桐沢社長を見る度に胸がキュンとする。
あっちは気にしてないだろうけど、あたしはものすごく意識してしまう。
「なぁ、まー…「はいぃぃっ?!」
あきらかに動揺してしまうあたし。
「……おまえ最近おかしいぞ?」
桐沢社長があたしの顔を覗き込んできた。
近い……っ!
顔が一瞬にして赤く染まる。
「おかしくないですから!」
そういって桐沢社長の顔の前に手を出し、遠ざける。
ニヤッと笑った桐沢社長に逆に手を掴まれてしまった。
「なに?俺のこと意識してんの?」
あたしは図星で口をパクパクさせてしまう
そんなあたしを見てクククッと笑った。
「まー子か〜わい〜」
と、おもしろがるように言われてあたしは桐沢社長の手を叩いた。
いってぇ〜!と桐沢社長が手を見てるのもおかまいなしにあたしは喋る。
「か、からかわないでください!それに自意識過剰もいい加減にしてください!」