涙が愛しさに変わるまで


「だけどそんなのただの綺麗事なんだよね。」



あたしが少し笑って女の子をみたら、女の子はスーッと一筋涙を流していた。



そんな泣き顔があまりにも綺麗であたしは、つい見とれてしまった。



あたしが見ていたからか、女の子はハッと焦った顔になり涙を拭き始めた。



「ご、ごめんなさい!うち泣くつもりなんかなかってん!お姉さんの迷惑やんなぁ!」



「えっ……いえ。」



あまりにもギャップが凄くてあたしは驚きを隠せなかった。



顔は童顔なんだろうけど、どことなく大人な部分がある不思議な女の子。



「なぁ、お姉さん?」



「は、はい」



「うちも好きな奴おるんやけど、うちはソイツに真っ正面からぶつかっとる。」


少し顔が赤らんでいて、なんだか可愛らしい。



「まぁ、今のままやったらただの幼なじみなんやろうけど、でもうちはあきらめへん。」



可愛らしい表情から今度は真剣な顔つきになった。



幼なじみが好きなんだ……。



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