涙が愛しさに変わるまで


「だから片岡さん……俺と付き合ってください。俺が、絶対……真依を守る。」


あたしはもう涙が溢れだしていた。



本当は辛かった。



大好きが大きすぎて、あたしはもう壊れそうだった。


今だってあたしは……桐沢社長しか愛せない。



だけど……誰かを初めて……桐沢社長以外で初めて、あたしは……



「……水野、かちょ?あたし……っん」



力強く引っ張られて、あたしは唇を奪われた。



「……す、すみません」



水野課長は少し顔を赤くしながら、あたしから離れた。



「……付き合います。」



あたしは少しだけ声を張って言った。



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