涙が愛しさに変わるまで
亮はあたしの手をとって歩き出した。
亮はあたしを喜ばせる天才なのかな?
あたしが好きな遊園地をデートに選んでくれる。
頭を優しく撫でてくれる。
もし……桐沢社長がデートしてくれるんだったら……きっとあたしはどこでも嬉しいんだろうな。
桐沢社長はきっと……あたしを馬鹿にして、それでふてくされるあたしの頭をクスクス笑いながら撫でてくれるんだろうな。
「まー子は本当に強がりだね~」……なんて言いながら。
………あれ?夕日を直接見ちゃったからかな?
目から……涙が出てくるよ……。
せっかく亮とデートしてるのに……。
実際に亮と会って……どうしても桐沢社長と比べてしまう。
あたしは周りに亮と妹みたいって言われても傷ついたりなんかしなかった。